カタログ的な本ではなく、実際にお菓子や手仕事ものを買うために全国各地の修道院を訪れ、そこで見聞きしたこと、感じたことを綴った読み物的な本となっています。 今の日本にはおいしいお菓子、かわいいお菓子、海外の美しいお菓子までもが無数にあふれていますが、発売前からかなり話題になっていたそうで、修道院の手作りものに興味を持っている人がそんなにいるんだ! ということも驚きでした。こんな時代だからこそ、人は無私の心でつくられた素朴でシンプルなものが食べたいと思うのかな。 「お菓子をつくることも、祈りのひとつのかたちなのです」というシスターの言葉がとても心にのこりました。 なお、修道院関係のことで最近うちの母から聞いて初めて知ったのは、シスターにもいろいろあって俗世間と一切関わることなく修道院の中だけで生活なさっている方のほかに、教師などの職業を持ち世間と関わりながら自活しているけれど、独身を貫き神様のために人生を捧げる「在俗会」というシスターもいらっしゃるそう。お菓子をつくっているのは、おそらく前者の方々なのだろうと思います。 女性だけの閉鎖的な世界で生きるのは人間関係など大変なのだろうなあ……と想像するのですが、一方では異性がいるところでは得られない、独特のやすらぎや安心感もあるのかもしれません。私自身、ミッション系の女子校出身なためシスターは昔からごく身近な存在であり、あの懐かしい、親密な時間をふと思い出させてもらいました。 お菓子好きはもちろん、知られざる修道院の生活にご興味のある方はぜひ。
by interlineaire
| 2013-09-07 02:29
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