乙女の喫茶室 「のばら珈琲」
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京都・西陣の路地裏に、ひっそりと佇む喫茶室「のばら珈琲」。実は訪れたのは昨年末なのですが、あまりにもお気に入りすぎて、愛しすぎて、できれば誰にも教えたくなくて、ブログ掲載をためらっていたお店……(笑)。遅蒔きながら、書いてみようかと思います。

このところ何を見てもときめきや憧れを感じられず、だめなところや粗ばかりをすばやく見つけ出してしまう。そんな自分が心底いやになっていたのですが、久々に夢中になって鼓動が高まりました。まるで、吉屋信子の小説に出てくる寄宿舎のような、別荘のような……ひそやかで可憐な空間が広がっていました。



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上品なマダムがおひとりでされていて、窓にかけてあるカーテンが手編みの白い毛糸製だったり、手作り感あふれるインテリアにもぐっときました。しかし、なんといっても感動したのが、マダム秘蔵のアンティーク化粧品コレクション。玄関入ってすぐのお部屋が喫茶室、奥の畳のお部屋がコレクションルームになっています。
テーブル席には季節を問わず、咲きたてのフレッシュな薔薇が。朝から何も食べていなかったので、珈琲とアンチョビ&ポテトのトーストというのをオーダーし、食べ終えてからゆっくりコレクションを見せていただくことに。
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アンティークの香水瓶、粉白粉の箱、昭和初期のガラスの指輪、藤井千秋の絵本、あとお人形用のドレッサーとかソファセットなどおもちゃの家具も集めていらっしゃるようで、ひとつひとつが表情豊かで、物語を感じる素敵なものばかり。資生堂のオイデルミン、山名文夫の粉白粉ケース、クラブ化粧品の双美人マークのあれこれなど貴重なものもたくさん。
東郷青児本にも掲載した、シーボンの「セイジパルファム」もありました(↑)。キモノ姿に扇子を持った女性の絵があしらわれた香水です。中身はすでに蒸発してしまっていましたが、和をイメージしたオリエンタルな香りだったのかな。

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ひときわ目を魅く、モダンガール風のマネキン。そういえば、余談ですが京都の「七彩」というマネキンの会社が、パリの写真家・ベルナール・フォコンからあの少年のマネキンを譲り受けて保管しているそうですね。ふだんは山科の倉庫で眠っているそうですが、京都にあのマネキンがあるなんて!と想像するとドキドキします。
2007年に同志社大学が構内でこのフォコンマネキンの展示と講演を開催したらしいのですが、迂闊にも見逃しておりました。せめて資料だけでも見たいと調べてみたのですが、どうも紹介がないと部外者は入れないよう。
何か有益な情報をお持ちの方がいらしたら、よろしければコメントいただけると嬉しいのですが……(涙)。
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マダムによると、時々同じ趣味のお友達同士で集まっては、2つ持っているものをトレードしたり、新たに手に入れたお宝を見せ合ったりしているそう。私も同好の士と思われたようで、「お仲間になりませんか?」とおっしゃってくださったのですが、蒐集家ではないため仲間入りできず無念。

アンティークは少しだけ販売もされているので、青い石がついた指輪をひとつ買いました。おもちゃのように安いものだけれど、晴れた日の空のような色合いにひと目惚れ。うれしくて、外に出るなりすぐに着けてみました。ちょうど入れ違いに細い路地で老婦人2人連れとすれ違ったのですが、シューベルトの「野ばら」をソプラノでほがらかに歌いながら入っていかれました……。
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by interlineaire | 2013-06-04 17:20 | Comments(2)
Commented by octopussy-007 at 2013-11-10 00:18
はじめまして
私もほっこりしに行ってます
できれば誰にも教えたくなくて・・・・わかります
あの空間は時間の流れが豊かです 
Commented by interlineaire at 2013-11-11 16:34
はじめまして。コメントありがとうございました!
古い化粧品のデザインってどこまでも甘美ですよね。
自分の記憶にはないものなのに、うっとりするほど懐かしくて。。
時間さえ許せばずーっと眺めていたかったです。
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