名古屋喫茶紀行
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発売中の「天然生活」3月号特集、「サンドイッチとスープの幸せ」で大阪、名古屋、京都のサンドイッチのおいしいお店をあれこれ取材させていただきました。ぜひご覧になってください(Click!)
ここでは、名古屋のこぼれ話を少々。画像は今回、最も老舗の底力を感じた「コンパル」のアイスコーヒー。熱いコーヒーを氷の入ったグラスに注いでいただくという驚きのスタイルで、創業者自らが考案したという自慢の一品です。たまたま、大須本店に社長さんが来られていてお話を聞くことができたのですが、ダンディーでとっても粋な方でした。この一杯に「コンパル」の誇りとか心意気のようなものが凝縮されていると言っても過言ではありません。暑い夏、こんなにおいしいアイスコーヒーで涼める名古屋の人たちがうらやましい!



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「喫茶と洋菓子 ボンボン」は取材先ではないのですが、名古屋といえばやっぱり外せませんよね。先代が東郷青児の大ファンだったということで本をつくるときにちょこっと電話取材はしたのですが、訪れたことはなかったので初ボンボンです。かなり夜遅くまで開いているので編集さん、カメラマンさんと一緒に「はね海老」(Click!)で晩ごはんのえびふりゃーを満喫した後、夜お茶を。翌日、昼間のボンボンの雰囲気も味わってみたくて、また一人で訪れたのでかなりのロングステイになりました。ドライブインのように広々と贅沢なつくりで、とても賑わっており地元で愛されている様子。この、スカイブルーのファサードに「CAKE BONBON」の文字、アメリカ郊外にあるダイナーのようでとっても素敵ですよね。現在の店舗は昭和43年に建て替えられたものだそうですが、当時としては、そうとう先端的な外観だったのではないでしょうか。
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昼間でもムーディな、シャンデリアが輝く個室風の一角に東郷の絵が! と思って近寄ってみると、色あせたレプリカでした……。見えにくいですが、中央の大きな絵です。この右側にも、「レダ」という白鳥をモチーフにした東郷の複製画がかけてありました。お店の方に聞いてみたところ、先代が所有していた本物はすべて2階に仕舞ってあるそうで見ること叶わず残念。

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書籍にも掲載させていただいた、東郷(風)の包装紙。華やかなショーガール風の女性が描かれており、これはこれで好きなデザインです。洋菓子店のガラス戸棚にもこの絵が刷られていました。くまのシールがかわいいバームクーヘンなどの焼菓子はおみやげにたくさん買ったけれど、やっぱり生ケーキがおいしい。画像のサヴァランではなく、苺のショートケーキをいただきました。「ボンボン」のケーキでお誕生日やクリスマスをお祝いできる名古屋の人たちがうらやましい!

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これは、ずっと見てみたかった「丸栄百貨店」1階にある東郷画のエレベーター。同じ絵があしらわれたエレベーターが2機、横に並んでいるのですが、パッと見は横長の大作のようで予想以上の美しさに思わず見とれました。やっぱり、このブルーグレイが大好きです。完成した時には東郷本人もこの場所に立って眺めたのだろうか、と思うと感慨深いものが。このエレベーターに毎日乗ることができる、「丸栄百貨店」のエレベーターガールがうらやましい!(笑)

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せっかくなので、桜山にある「喫茶と洋菓子 ボンボン」の支店にも行ってみました。横にちらりと見えている「ボンボンセンター」というほとんど廃墟のような路地裏が印象的だったのですが、ここはもと旅館だったところを、先代が飲食店街として整備した場所なのだとか。昔は「バー・ボンボン」という洒落たバーもあったようで、そのロゴを外した跡がうっすらと残っていました。猫がひなたぼっこしたりして、寂れてはいるものの、ここには昭和がエアポケットのように確かに残っています。「ボンボン」桜山店はこじんまりした山小屋風の内装で、経営者の孫娘らしき女の子が遊びに来ていたりとアットホームな雰囲気。ここだけのメニューというカレーには、名古屋らしい味噌漬け卵?がのっていました。紙ナプキンは本店と同じ、ピンクのコックさんです。
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トーストやサンドイッチには名古屋の地元メーカー、「本間製パン」のパンを使っているようで、常連のお客さん用?にボンボンでは食パンの注文と受け渡しなどもしているようす。ちなみに名古屋某所で見つけたこのローカル・ラスク、少女漫画みたいな絵がかわいい!とおみやげに友人の分まで大量に買ったのですが、あとでパッケージを見たらこれも本間製パンのものでした。プレーン、メープル、ストロベリーなどいろんな種類があり、すべてに違う子どものイラストがついています。家人には「ファンシーすぎる」と不評でしたが……。でも、かわいいですよね?(笑)。

d0051304_19431650.jpgこれまで名古屋の老舗喫茶店はせっかくの昭和遺産をうまく生かしきれていないのでは……という思いがあったのですが、今回の訪問でそれが間違っていたことに気付いた次第。京都の喫茶店のように観光地化されていないせいか、もっと実質主義というのか、毎日でも通える低価格やコーヒーの微妙な風味など、目には見えない部分へのこだわりを感じました。本当に地元人のための喫茶なのです。そんな、ある種のまっとうさ、無骨さも好ましく感じました。次はmilou、kajita、青猫といったニューウェイブ店をぜひ訪れてみたい(なぜか水木に行くことが多く、定休日と重なって何度も行く機会を逸している私です……)。
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by interlineaire | 2013-01-20 17:40 | Comments(2)
Commented at 2013-02-15 18:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by interlineaire at 2013-02-17 00:40
>鍵コメさま
コメントありがとうございます!とっても嬉しいです。
さっそく検索してみました。不思議な空気感のお店で気になります。
貴重な情報ありがとうございます!
素敵に年を重ねているマダムのいるお店っていいですね。。
次回、名古屋を訪れる機会があれば絶対行ってみたいと思います。
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