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La vilaine LuLu(おてんばルル)
すでに乙女界ではこの話題でもちきりのようですが⋯イヴ・サンローランが生み出したあのズン胴のファムファタール、『La vilaine LuLu(おてんばルル)』の日本語版がついに出ましたね!デザインはセキユリヲさん、日本語の書き文字は東ちなつさんということでさすが、いい仕事なさってます。このサンローランはカテリーヌ・ミリネア/キャロル・トロイ著の『チープ・シック(1977年・草思社)』という本に載っていたもの。この本で初めてLuLuを知った!という人も多いのでは?(私もそうだし)。

La vilaine LuLu(おてんばルル)_d0051304_723361.jpgLuLuはいかにもフレンチマニアが好きそうな、子どもっぽくて無邪気な顔と体型をもった女の子。しかし、「いけないポーズ」をキメるのが大好きで、意地悪でうぬぼれや。その外見に全然そぐわない性格をもつキャラクターで、そのアンバランスさに逆にぐっときた人は私だけではないはず。単にかわいいだけではない、ひと筋縄ではいかない感じがいかにも小さいフランス女という感じなんですねー。

あとがきを読むと、フランス語のVilaineという言葉には「いたずら好きの」という意味以外に、「不快な」「淫らな」「下品な」という意味もあるそうで⋯。見返しの、バットマンやバーバレラ、ブリジット・バルドー、赤ずきんちゃんなど、LuLuがいろんなコスチュームを着て登場するページが大好きです。中でもルル・ロリータのかわいさといったら!06年はLuLuの年になるかもしれません。
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# by interlineaire | 2006-01-14 01:33 | Comments(7)
ラブレーの子供たち
ラブレーの子供たち_d0051304_1919290.jpgあけましておめでとうございます。年末は30日まで京都でバーの取材などしていたので大晦日は宿酔でたいへんでした。画像はそのときに三条の明治屋でパケ買いしたスウェーデンのクネッケ。深いブルーになつかしのテトラパックのような三角包み、木馬のシンボルマークがたまりません。熱々のスープにあいそうな素朴な味わいです。北欧のものって雑貨以外まだあまり食品は見かけないと思っていたけれど、これから除々に北欧フードが日本でも買えるようになるのかもしれませんねー。4月には日本初のIKEAもできるみたいだし(千葉、横浜に続き、関西では神戸にもできるもよう)マチルダちゃんとか、会えるのがホント楽しみです。

●今年最初に読んだ本⋯『ラブレーの子供たち』四方田犬彦/新潮社
表紙がバルチュスなのからして素敵すぎます。ロラン・バルトの天ぷらや斎藤茂吉が好んだという浜名湖食品のうなぎの缶詰(これは現在もまだ売っているそうですが)など、古今東西のさまざまな有名作家や芸術家が好んだ料理を入念に調べ上げて紡いだエッセイ集で『芸術新潮』での連載をまとめたもの。

ラブレーの子供たち_d0051304_19363566.jpg中でもツボだったのは澁澤龍彦が幼年時代に好んだという日の丸弁当ならぬ『反対日の丸食パン』。最初は食パンにコンデンスミルクを塗って、その上にジャムで丸く日の丸を描くというものだったらしいのですが、澁澤はやがてコンデンスミルクとジャムを反転させるのです(少年時代の彼に反日的な意図があったわけではなく、その方が甘くておいしいからという理由で)。ココで全文読めますので興味ある方はぜひー。写真も龍子夫人にわざわざつくってもらって撮影したというなんとも贅沢な一篇となってました。ほか、ジョージア・オキーフのハーブをたくさん使った野趣あふれるサラダなどもよかったなぁ。と、食べ物系のネタにはつい反応してしまいます。このblogも今年はもっと気軽に更新する予定ですので、06年もどうぞよろしくお願いいたします。
# by interlineaire | 2006-01-01 19:37 | Comments(4)
ドルヂェル伯の舞踏會
ドルヂェル伯の舞踏會_d0051304_17485847.jpg最近、古本市で手に入れてうれしかった本。レイモン・ラディゲ(堀口大学・訳)の『ドルヂェル伯の舞踏會』(昭和六年・白水社)。これも東郷青児装丁なのですが、ビクトリアンなレースをコラージュ風にあしらったデザインであまりの素敵さにびっくり。見返しはうすい水色に花模様の組み合わせ(↓)で、どこまでも乙女仕様なのです。表紙にLE BAL DU COMTE D'ORJELとフランス語でちいさくタイトルが入ってます。もちろん、中にも東郷画のジャン・コクトーばりの素描が挟み込まれていました。
ドルヂェル伯の舞踏會_d0051304_17472210.jpg私にとって本はあくまでも「読むためのもの」なので、モノとしての本へのフェティシズムはそんなにない方だと思っていたのですが、こういうのを見つけるとやっぱり手に入れずにはいられません……古いものなので朽ちかけ寸前といった趣きですが、今年最後の古本買いにふさわしいエレガントな1冊で大満足です。
ちなみにこのえんじ色の『乙女抄』(↓)は300えんという安さに魅かれドルヂェル伯と一緒につい買ってしまったモノ(昭和十七年・偕成社)。
ドルヂェル伯の舞踏會_d0051304_17394368.jpgこちらは室生犀星の著者自装で、よ〜く見るとモスラのようなとぼけた表情の昆虫が描かれていていい味出してます。このblogもこれでおそらく今年最後の更新になるかな?それでは皆さまよいお年をお過ごしください〜。
# by interlineaire | 2005-12-28 17:08 | Comments(2)