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天然生活2月号
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今回は「記憶の中のお菓子」をテーマに、長野まゆみさんの『お菓子手帖』と、田辺聖子さんの『苺をつぶしながら』をご紹介しております。『苺を〜』は、私の生涯の一品、大阪・心斎橋《長崎堂》のクリスタルボンボンが登場する小説ということで選びました(画像は長崎堂ティールームのマッチです)。ちなみに、奔放でキュートなヒロイン・乃里子のモデルは水森亜土さんだったと後で知ってなるほどー、と納得。
この小説、ボンボンのこと以外にも「人生のなかで、いちばん美しいものは人生」「女友達とごはんを食べる時間も、軽井沢のホテルで猫足のバスタブが据え付けてあるのに満足する時間も、私にとっては恋」etc.引用したいことばが多すぎて困りました……。
本書が再版されたとき、田辺聖子さんは某誌のインタビューで折しも、「小説というのは、みんなに『これ、おいしいから、ちょっと食べてごらん』って分ける、人生の大きなお菓子だから」と答えていたそう(!)

なお、作中にも出てくる《長崎堂》2階のティールームにある「スミスさんのオルゴール」ですが、私も乃里子と同じようにお店のマダムに聴かせていただいたことがあります。奥まったところに「オルゴール室」みたいなお部屋があり、ちょうどクリスマスが近い頃だったので、「きよしこのよる」がセットされていました。これがもう、天上の音楽のような音色で……演奏が終わってもしばらく魂が別世界にいってしまって動けないほどの衝撃を受けました。本当の贅沢って、きっとこういうものを所有することなのかもしれません。ちなみに、クリスタルボンボン=このオルゴールの音色を砕いたようなお菓子、と表現されているのにも深く納得。
ちなみに、ボンボンのことは『苺をつぶしながら』のほかに、『田辺聖子の味三昧』(これは、田辺さんの小説に出てくるお料理を、実際につくってみようというレシピ集)という本にも掲載されています。
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by interlineaire | 2009-12-21 00:32 | Comments(0)