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桃李の徑(たうりのこみち)
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最近、古書象々さんで見つけて嬉しかった本。森田たまの少女小説集『桃李の徑(たうりのこみち)』(昭和十五年・實業之日本社)。随筆集はわりとよく見かけるけれど、彼女の少女小説というのはけっこう珍しいのではないでしょうか?装丁は『たべるトンちゃん』などの絵本で知られる初山滋で、よーく見ると少女が膝をついて花を摘んでいる様子を描いたものなんですね。頭につけた花と赤いくつがかわいらしい。箱からすーっと取り出したときの若草色にもおお、と思いました。ユトレヒトによる氏の紹介文、「宝石屑のかがやきとレモン汁の香りを惜しみなくふりまいたような世界⋯」って、まさにぴったりの表現。
『背後』という、リボンや千代紙、ペーパーナイフにいたるまでなんでも友達のものを欲しがり、髪型や本の趣味、ものの考え方まで真似をしようとする女友達に悩まされる少女の話がおもしろかった(挙げ句の果てに最愛の恋人まで取られてしまいそうに⋯⋯)。森田さんらしいちょっとシニカルな視点が絶妙で、女性なら誰しもが身に覚えがあるエピソードはさすがです。
しかし本編以上に熟読してしまったのが、巻末についていた他の少女向け書籍の刊行案内。矢田津世子(言わずと知れた、坂口安吾の元カノで女流作家)の小説『花蔭』(これも初山滋装丁)、神崎清という人の『少女文學教室』(松本かつぢ装丁)などもいつか見てみたい。
この日は他に、何度か見かけて購入を迷っていた『酒のみとタバコ党のバイブル』(昭和二十五年・自由国民社)も勢いで買ってしまい、久々に古本にまみれた一日でした。
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by interlineaire | 2007-11-12 21:55 | Comments(4)
1日こっきりのパン屋さん、アップルの発音
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すっかりごぶさたしてしまいましたが、生きております。南船場のプリデリグラフィックラボに、「アップルの発音」という1日だけのパン屋さん現わるというのでいってきました。BOOKLUCK山村光春さんプロデュースのフリマイベントで、企画を知ったときから楽しみにしていたのでした。「アップルの発音」という店名もかわいい。ちょっと寝坊したらすでに売り切れ寸前だったのですが、なんとか3種類ほど買うことができました。
雪だるまのようなカタチの「ミヨ」というパンはキャラメリゼしたりんご入り。パンの名前も「沖へ、沖へ(ソーセージのパン)」、「日曜日ボチボチしたい方へ(蜂蜜のパン)」、「やさしくなれない事もある(チーズのパン)」etc.などなど、何気にポエティック。不定期で谷町4丁目のパスポートセンター横に出店されているそうですが、営業時間も限られているのでけっこう幻のパン屋さんかもしれませんね。かわいいだけでなくしっかりとした粉の味がする骨太な味。「ロバのパン屋」のように、ちゃんとBGMというかテーマソングがあるのにもビックリでした。
山村さん自らが淹れてくださるエスプレッソを飲みつつ、プリデリ特製の「アップルの発音」オリジナルグッズ(パンのかたちのクッションやブローチ、封筒にシール、Tシャツ、トートバッグまで盛りだくさんでした)、世界中から集めたスーべニール雑貨が並ぶフリーマーケットにも我を忘れて夢中に。金曜日だったけど、日曜日のようにのんびりした空気が流れるすてきなイベントでした。

■『天然生活』12月号
『天然生活』の連載も、早くも1年となりました。今回は「本、または読書について書かれた本」というのをテーマにしてみました。氷室冴子さんの『マイ・ディア(親愛なる物語)』と坂崎千春さんの『片想いさん』を紹介させていただいてます。本についてものを書くときに、私が教科書のようにお手本にしている2冊です。
書評って実際とても難しいものだと思うのですが、星の数ほどある女性向けのブックガイドの中でも書評を超えた書評、と呼ぶにふさわしいおススメです。最近読むものがないなぁ、とお悩みの方は参考図書としてもぜひ。ちなみに、この連載は当初1年の予定だったのですが今後も続くことになりました。毎回、楽しみつつけっこう七転八倒しておりますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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by interlineaire | 2007-11-09 16:12 | Comments(2)