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My naughty little sister きかんぼのちいちゃいいもうと
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『父の時代・私の時代 わがエディトリアル・デザイン史』も再版され、古本界ではもうずっとおなじみの堀内誠一さん。雑誌an anの初代編集長や絵本作家としても有名な方ですが、数ある彼の仕事の中で、実は個人的にもっとも親しみを感じているのがコレ。ドロシー・エドワーズの『きかんぼのちいちゃいいもうと』の挿し絵です。
しばらく絶版になっていたのが去年、新装版になり全3巻に再編されましたねー。日本では未訳だったエピソードが読めるのはかなりうれしく、毎日寝る前に少しずつ読んでいます。
新版では亡くなった堀内誠一さんに代わって、表紙の絵や挿画も酒井駒子さんによる新しいものに。酒井さんは『金曜日の砂糖ちゃん』を筆頭に大好きな作家さんなのですが、堀内誠一さんによる陽気でバタくさいタッチで描かれた「いもうと」が私にとっては70年代からずーっと親しんできたキャラだったもので、機会があったらぜひこちらの旧版も見て欲しい⋯と思わずにはいられません。堀内さん描くところの「いもうと」は、ギョッとするほど個性的でお世辞にもかわいらしいとはいえない女の子なのですが(画像参照)、わがままで小憎たらしいところも全部ひっくるめてなんだか他人とは思えなかったんですよね⋯⋯私も姉妹の「いもうと」だったこともありますが。
新しく訳されたエピソードの中では、いもうとがおとなりの家の掃除機(!)と仲良くなる話「かわいそうなチャーリー・ココア」と、自分にそっくりなきかんぼのチャーミングなおばあさんに会いにいく話が好きです。よーく読んでみると、旧版ではややキツめだった表現が微妙にソフトになっていたりと、翻訳にも時代の流れを感じました。スポンジケーキやレモネード、タッフィーといった英国コドモ界におけるめくるめくおやつ世界も堪能できる、くいしんぼう読書家にもおすすめのシリーズです。

※スロー雑誌『天然生活』に書評エッセイを隔月連載中です。発売中の8月号では、1部では文化系女子のバイブル!?とも言われる金井美恵子の『小春日和』と、サガンの『ある微笑』を取り上げ、日仏文化系女子の恋と人生を考察しています。
『小春日和』には、『彼女(たち)について私が知っている二、三の事柄』という続編があるのですが、最近出た『快適生活研究』(この本、おもしろすぎて読みおえるのが惜しいほどでした⋯)』にも桃花コンビのそのまたその後が登場(夏之さんやアレクサンドルといった目白4部作の面々も!)。『小春日和』を初めて読んだとき、私も桃子や花子と同じ19才だったので、小説と同時進行で私も年をとってきたんだなぁ、と思うと不思議な気持ち。10年後、今度は40代になった“彼女(たち)”にまた会えることを期待しています。
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by interlineaire | 2007-06-20 07:09 | Comments(4)
Carousel El Dorado カルーセル・エルドラド
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長い間、放置しっぱなしでスミマセン。多忙でバタバタしていたのと、UNDERSON氏がいわゆる[おとなのみずぼうそう]に罹患してしまい、ブルーな日々を過ごしておりました。発病初期はまさに地獄絵図みたいな感じだったのですが、意外に早く回復し元気を取り戻しつつあります。ただし、4週間は外出禁止で幽閉状態なため、その期間の打ち合わせなどは私が代理で赴くことになりそう(子どもの頃に発症済で、うつらなかったのは幸いでした)⋯⋯失って初めてわかる、平穏な日々のありがたさよ。

話は変わりますが、長らくチェックしていなかった嶽本野ばら氏の新刊『変身』を読んで、今さらながら“としまえん”にいきたくてたまりません。お目当てはもちろん、世界最古(!)のメリーゴーランド『カルーセル・エルドラド』。19世紀のドイツでつくられたベルエポック期の名作が、まさか「としまえん」にあるなんて⋯⋯。ネット上に画像がたくさんありましたが、過ぎさりし日々のロマンチシズムとどこか退廃的な佇まいにすっかり魅了されてしまいました。たとえデパートの屋上にあるようなチープなものであれメリーゴーランドが嫌いな乙女はいないと思うけど、エルドラドだけは特別&唯一無比の存在と氏が絶賛するのも納得です。としまえんのwebサイトによると、エルドラドは1907年生まれ。ヨーロッパ各地のカーニバルを巡業した後、1911年にアメリカの遊園地コニーアイランドに渡り、ルーズベルト大統領をはじめ多くの人々を楽しませた、とのこと(としまえんに登場したのは1971年から)。
『変身』では、そんなエルドラドの数奇な運命があの独特な饒舌でアツく語られており、唸らされました。日本は今 遊園地受難の時代ですが、関西にも探せばもしかしたらこういう由緒ある輸入モノのカルーセル(※Carouselは英語でメリーゴーランドの意)がどこかにひっそりと残っているのかもしれませんね。

※画像はCarouselが回転するときのオルガン曲を集めたCDです。ファンタジック!
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by interlineaire | 2007-06-17 02:53 | Comments(7)